「ヒカリヲ」相談日延長につきまして
皆様のおかげをもちまして、4月の相談もたくさんの方にお申込みいただきました。その結果、5月の相談までもお待ちいただく状況になっており、本当に有難く思っております。
4月18日(土)に初相談を行う予定ではありました。しかし皆様ご存じの通り、コロナウイルス(COVID-19)による影響により、各種企業・業種等が休止・休業等に追い込まれております。私たちが相談を行う大阪市においても、日に日に感染者が増え、大阪市長・大阪府知事双方が「週末の外出自粛」などを要請しております。
その情勢を鑑み、今回4月に行う予定でありました相談業務を見合わせる形となりました。
近日中に5月に行う日程を設定させて頂きます。4月にご予約頂いた方を優先させていただきます。また5月に予約を希望された方は6月以降での相談とさせていただきます。しかし、情勢によっては5月以降も見合わせる可能性もあります、何卒ご了承ください。
ヒカリヲ 小野
お待たせ致しました!
2020年4月18日(土曜日)の相談会を行います。
ご興味のある方がおられましたら、お気軽にお問合せください。
以前、大阪府八尾市での相談となっておりましたが、大阪市中央区と場所が変更となりました。
場所等お間違えの無い様にお越しください。
なお、事前申し込み制となっており、先着順となっておりますので、ご了承ください。
今回相談を承ることが出来なくても、5月、6月と継続的に月1回程度、相談を承ることになっております。
相談日につきましては、随時ブログ等にてアップさせていただきます。
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お子様が発達障がいと告知された親御様、また、その疑いをお持ちの親御様、ご相談ください。
また、他の療育施設で効果が感じられなかった親御様もぜひご相談ください。
発達障がい児療育「ヒカリヲ」では、フリーオペラント型ABAにより発達障がいを持つ児童を療育いたします。
現在、2019年7月21日(日曜日)の相談会開催に向けて、WEBサイトの作成、その他準備を行っています。
ご興味のある方がおられましたら、お気軽にお越しください。
なお、事前申し込み制となっております。
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お子様が発達障害と告知された親御様、また、その疑いをお持ちの親御様、ご相談ください。
また、他の療育施設で効果が感じられなかった親御様もぜひご相談ください。
新しいフリーオペラントの本の紹介です。
「発達障害児の言語獲得 応用行動分析的支援(フリーオペラント法)」
2年前の本の続編となります。
この新しい本では、一人の発達障害児「あいちゃん」の事例を元に、
私たちがどの様に療育を行っているか?どの様に親支援・親訓練を行っているか?
を詳細に記述しております。
およそ2年に渡る記述となっております。
当相談室の事が気になる、興味のある方は、
この本をお読み頂けたらと思っております。
フリーオペラント法のすべてが語られている訳ではありませんが、
かなり突っ込んだところまで書かれている本です。
また今後とも、
「フリーオペラントの言語獲得の理論編」
「子どもたちの3年後、4年後、そして10年後の言語発達について」
等、ネタには尽きません。
本を含め、出来るだけ早く、
みなさんに情報提供が出来たらと考えております。
最近ABAをよく勉強されてから来舘されるお母さん方が多いと感じます。
「強化」という表現をするだけで頷かれるお母さんを見る度にABAの普及が進んでいるなぁ、と実感しています。
そのよく使うことばの「強化」なのですが、私たちが子どもさんの行動を分析し、子どもさんとのやり取りの仕方を説明した後、
「じゃあ先生、褒めればいいのですね」
と理解される方がいらっしゃいます。
私たちも、子どもたちの行動を見たあとで、褒めることが一定の影響があると判断すれば、「その通りです」頷く場合もありますし、また説明においても「褒めてあげてください=強化してください」という表現をする場合もあります。
場面によっては「強化=褒める」ということが間違っているという訳ではありません。
ところが、「強化」と「褒める」ということは、似ている様でいて全く違うものなのです。
元々行動分析というものは、動物等を観察する際には、行動の
「頻度(回数)」
「強度(強さ)」
「持続時間」
を見るのが基本となります。
「強化」というものは、大体この3つの行動が「増えること」を言います。
具体的に言うと、
行動の回数が「多くなる」
行動が「強くなる」
行動の「時間が長くなる」
ということが「強化」なのです。
社会的動物である人間は、「褒められる」という承認によって、その対象の行動が多くなったり強くなったり長くなったりするのが普通です。ところがそれは絶対ではありません。
「褒められるという行動が強化になる確率が非常に高い」というだけであって決して「褒められる=強化」ではないのです。
発達障害を持っている人たちは、社会性が無い訳ではないのですが、乏しかったり、定型発達の人たちとは違った形のもので表現していたりする場合があります。
なので「褒めた」としてもその後の「行動」に変化が無かったり、「行動」が下がったりする場合もあります。そうなると「その褒める行動は強化として成り立っていない」ということになるのです。またこれは発達障害を持っている方だけでなく、これは定型発達の方でも十分可能性のあることです。
難しいかもしれませんが、行動分析を理解したい、または実践したいと思われる方は、
「褒める」「貶す」などのラベルを見るのではなく、
相手がどう行動しているか?
相手の反応の後に自分がどう動いているか?
その自分の行動の後に相手はどう反応しているのか?
そしてその「頻度」「強度」「持続時間」は?
と「行動がどう動いているか」(機能・作用しているか)を見てください。
この様に見ることが実際の理解や実践の訓練になるのです。
私たちが療育をする際に、お母さんやお父さんに対して、
「別に完璧じゃなくても良いです、適当にしてください」
という事を良く言います。
適応行動を獲得させるために、
100%の強化(報酬など)をすることは確かに悪いことではありません。
私たちが療育の中でしなくてはならないことは、
実は「獲得」ではなくて「維持」の方であったりします。
せっかく獲得したものが、出て来なくなってしまう、消え去ってしまうというのは
出来るだけ避けなければいけないことなのです。
それには短期的な目(獲得)だけでなく、中、長期的な目(維持)に焦点を当てることが肝心です。
「維持」はイコール、「出来るだけ消去されない手続き」ということになります。
そして、完全に100%強化という手続きは「維持」という所に焦点を当てると、
実はあまり効率が良いものではありません。
「いつ強化されるか分からない」という手続きの方が、
「長持ち」し「消え去ることが難しい」という形になりやすいのです。
具体的な例を挙げると、「パチンコ」「競馬」などのギャンブルがそれにあたります。
「パチンコ」や「競馬」は、絶えず強化をされるものではありません。
5回の内1~2回、10回の内1~4回かはわかりませんが、
強化(この場合は「玉が出ること」や「馬券が当たること」)が時間的にランダムになると、
その形成された行動(パチンコに行って、玉を買って、玉を打つなど)を
消すことはなかなか出来にくくなります。
だから、ギャンブルにハマっている人は多く負けているにも関わらず
「今度は当たるかもしれない」と言って、
パチンコ屋や馬券売り場に駆け込む様になります。
(これは、「強化スケジュール」の中での「VIスケジュール」と言われているものです。)
賭け事をする人間を毛嫌いする人がいますが、
実は「ギャンブルにはまる」というのははその人固有の行動ではなく、
強化スケジュールに組み込んだ、組み込まれてしまったというだけであって、
誰にでも形成される当たり前の行動なのです。
翻って療育の場ですが、
適応行動に対して100%強化をしてあげると、
確かに「獲得」に対して十分な効果が得られるのですが、
「維持」の場面になると効率の面では「?」ということがあります。
そうではなく、
「60%ないしは70%での強化」となると、
100%の強化よりは「獲得」に関しての効率は負けますが、
「維持」という点に関しては、良い効果が得られます。
一旦獲得すると消去されにくくなるからです。
何にしても「日常」の中に導入がしやすくなります。
そしてそれだけではなく、実は「般化」という
「フリーオペラント法」または「療育」にとって最重要な行動にも繋がっていきます。
「そうは言ってもなかなか出来ないんですよ」と言うお母さんたちがいます。
勿論程度や状況にもよりますが、「なかなか出来ない」言っていると状態がベストな場合もあります。
加えて「何がなんでも頑張らなくちゃならない!」というお母さん、お父さんたちの負荷の軽減にも繋がります。
親の負担が大きく「バーンアウト(燃え尽き)」しがちな療育の場で、負荷が軽減されるということは
お母さん、お父さんたちの療育の「維持」にも繋がります。
スピードが大事な場合もあるのですが、何にしても「維持」というのは「獲得」と
同じ位大切なものなのです。
私たちの
「適当にしてくださいね」
と言うことばには、こういうカラクリがあったりするのです。
小野
相談室スーパーバイザー佐久間徹先生の初の著書です。
「広汎性発達障害児の応用行動分析(フリーオペラント法)」という題です。
「フリーオペラント法」というのは、30年以上前より「佐久間徹」と「久野能弘」の二人によって確立された「応用行動分析(ABA)」の一分野です。
ヒカリヲでは、30年前よりこの療法を採用し自閉症療育に取り組んでいます。
実際に「フリーオペラント法」というのは、同じABAでも「DTT(ディスクリート・トライアル・トレーニング)」や「ロバース法」に比べて「測定がしにくい」という欠点があり、論文や書物などでの流布というのはなかなか出来にくかったのです。
しかし、「フリーオペラント法」は主に「社会性」や「自然なことばの獲得」に関して絶大な効果があり、関西学院大学、筑波大学などでも扱われ、日本の行動療法家・応用行動分析家の中では底流として脈々と存在をしています。
加えて、アメリカの方でもロバースの弟子であるケーゲル夫妻などがPRT(Pivotal Respose Treatment)という新しい療法を提唱しており、そのやり方は、実は日本でのフリーオペラント法に極めて近いのです。
その純日本産「フリーオペラント法」の詳細が書かれた初めての本です。
「一度文章にしてしまうと、間違って伝わってしまうのが怖い」
として中々文章化されなかった先生ですが、熟考に熟考を重ねられた上でようやくの出版となりました。
佐久間先生はこの本について「親御さん向けに書いたものでも無いから難しいかもしれない」とコメントされていましたが、殊更に難しい文章だとは思いませんし、何より安い(840円)ものです。この値段も「多くの人に安く手に入れてもらう」という、「印税度外視」の先生のご配慮が入っています。
ミード社会舘の療法はこの「フリーオペラント法」に特化しています。
「フリーオペラント法」は実に「百聞は一見に如かず」の療法です。
実はこの私も、佐久間先生の療法を実際に見るまでは「イマイチ実感が湧かない」と感じていた1人です。
是非とも読んでみてください。
この本を読んで、もし「フリーオペラント法」が気になる方がおられましたらヒカリヲにご連絡いただけたらと思っています。
小野
「当たり前」と思われる「強化機能」の続きです。
強化には、罰とは全く違う効果があります。
それは「強化は即座に効き目はない、しかし継続性がある」
というものです。
学習の機会を考える際に効率の良いのは、罰ではなく強化があるのは
この継続性があるためです。
これが子どもたちに対しての罰コントロールです。
だから、私たちは
ということをまず理解して貰う必要があるのです。
小野
そこには
「親が受ける強化」が関係してくるのです。
(続く)
小野
私たちの相談室に来られてビックリする人もいるかもしれません。
世間で「ABA」と言うと、椅子に座らせて、机の上にある課題学習をし、
飴やチョコレートなどのお菓子を持ち、課題を達成できたら「よくやったね」とお菓子を差し出す…
その様な印象を持っている人が多いだろうと思います。
ところが私たちの相談室では、子どもが行くところは全くの自由。
机はあるけど座らせようともしない。
物を投げようが床を水びたしにしようが、
世間一般が不適応行動だと思う行動を起こしても全く平気。
相談室の外に出ても気にせずそれに付いていくだけ。
(※勿論危険なことは体を張ってでも止めます)
世間のABAを知っている人たちは、それを見て
「何をしているのか?」
「馬鹿にしてるのか!こんなのABAじゃない!」
と思うのかもしれません。
私たちにとってABAというのは、
ABAという一定の療育方法でもなく、
ABAという「パッケージ」でもありません。
あくまでABAとは「応用行動分析」(Applied Behavior Analysis)の略語なのです。
一体どう違うのか?
応用行動分析というは、
B.F.Skinnerという人が鳩やラットの実験から生み出した
「行動分析学」の「応用版」なのです。
ですから、「ABA」というのはあくまで
「行動分析」を人間特有の行動に対して「応用」したものであり、
その範疇で捉えるものとして採用しています。
ですので、ABAをパッケージングでもなく、単なる療育方法という
狭い分野で捉えてはいません。
誰にでも応用の効くものとして、より広く捉えているものですし、
障害を持とうが健常であろうがそれは一緒です。
「応用行動分析」は大きく応用を利かせるものとして
採用しなくてはならないと感じています。
スキナー自身も、自身の行動分析をそう捉えています。
私たちの相談室の話に戻りますが、
遊んでばかりいると捉えられがちかもしれませんが、
実の所、様々な「応用行動分析」が、その遊びには取り入れられているのです。
子ども達は一人ひとり強化子が違います。
けど、私たちの相談室内において、
子ども達に行動分析の「強化」が効いている現象として、
一つだけ、子ども達に共通している行動があります。
それは、1ヵ月ほど相談室を体験した子ども達は
私たちの相談室に来る際に、
必ず「楽しそうに、走って」入ってくることです。
これこそ相談室そのものが子どもたちにとって
「強化子」なのだという証拠なのです。
小野